助成金について
待機児童問題を解消するために、企業内保育所の開設における国や県など様々な助成金の制度が整っています。企業内保育所・院内保育所の開設を検討する際は、助成金について詳しく把握しておきましょう。
設立や運営に必要な経費には助成金がでる可能性も
待機児童問題を解消するために、企業内保育所など受け皿を拡大する対策が行われています。企業内保育所を開設しやすくするために、助成金制度がスタート。「助成金があるなら」と、企業内保育所を開発した企業も多くなっているようです。
基本的には保育士やスタッフの人数、設備などの基準を満たしていれば、整備費の3/4程度が助成されます。
自社企業だけでなく他社との共同で運営することも可能で、さらに従業員以外の地域の子どもの入所を受け入れる地域枠を設けることもできます。そのため、地域での待機児童解消にも役立てることが可能になるでしょう。
企業によっては運営自体が、面倒だと感じるケースもあります。その際には保育運営を外部に委託することも可能です。保育のプロフェッショナルに委託することで、質の高い保育を提供できるなどメリットも多いでしょう。
どれくらい助成金がでるのか
基本的に開設・増設・運営などに必要な経費を助成してくれます。それぞれで受け取れる助成金の割合が異なるため、詳しく確認しておきましょう。
1.開設に必要な費用
企業の規模によって、助成金の割合や限度額などが変わってきます。
大企業の場合は1/3まで、限度額は1500万円の助成を受けることができます。中小企業なら2/3まで、2300万円まで助成が可能です。
資本金が5000万円以下の飲食店やサービス業、小売業などが中小企業に当てはまりますが、業種によって細かな基準が定められているので、自社が大企業なのか、中小企業なのかは事前に確認しておきましょう。
2.増設に必要な費用
増設費も大企業か、中小企業なのかで受ける助成金の額が異なります。
大企業なら1/3で750万円まで、中小企業なら1/2で1150万円までです。
建て替えをする場合には大企業が1/3で1500万円まで、中小企業なら1/2で2300万円までとなります。
3.運営に必要な費用
大企業なら1/2、中小企業なら2/3までの助成を受けることが可能です。
通常型の保育の場合、店員が15名未満なら年間で379万2000円、15~20名なら540万円、20名以上なら699万6000円が限度額になっています。
時間延長の場合には、15名未満が505万2000円、15~20名なら729万円が限度額です。
さらに深夜延長、病児保育などに対応することで、さらに上限額が多くなります。
厳しい条件をクリアする必要がある
企業内保育所を開設すれば、助成が受けられるわけではありません。
定められた基準を満たしていなければ、助成金を受けることができないので注意が必要です。
保育士の配置
保育士の配置は、常時有資格者が2名以上必要になり、乳児なら3人に1人以上の保育士が必要となります。
満1歳から3歳未満なら6人に月保育士1人、満4歳以上なら30人に保育士1人以上です。
また専任看護士も1人以上必要となるなど、保育士の人数が保育所の規模によって明確に定められています。
設置する設備
ほかにも2歳未満の乳児室と保育室、調理室、トイレがある、パーテーションなどで乳児室と保育室が区画されている、幼児20人につきトイレが1つ以上必要、消化用具や非常口など非常災害時に必要とされる設備があるなど、建物の構造に対しての条件も様々です。
入所している子供の安全・安心を保育のために必要な条件になるため、しっかりと条件をチェックし、基準を満たしているか確認しましょう。
助成を受ける際の注意点
助成金の申請をしても、必ずしも通る訳ではありません。
基準に満たしていないなど問題があれば、助成金を受け取ることができないケースもあるので注意しましょう。
また申請が通っても、すぐに助成金が支給されないこともあります。
時間がかかる可能性も踏まえた上で、どれほどの規模の保育所を開設するのか慎重に検討してください。
※情報参照元:厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ryouritsu01/dl/hoikupanhu.pdf