保育中の事故
保育所の運営において、いまその対策の質が問われているのが「保育中の事故」。保育士への負担が大きくなりがちな状況で、大切な児童の命を守るために、安全な環境づくりは大切です。しかし運営を委託した会社によってはそれがおざなりにされることも。
ここでは、企業内保育所の課題として保育中の事故を取り上げ、解説していきます。
保育中の事故の例とその原因
保育中の事故はどのようなシチュエーションで起こっているのか、その例をご紹介します。
お昼寝中の事故
保育施設で起きた死亡事故のうち、その多くはお昼寝中に起きていることが知られています(※)。
0歳児や1歳児が、昼寝の最中にうつ伏せになり、吐いたミルクの誤飲などが原因で死亡してしまうケースがあります。
プール・水遊びでの事故
水難事故が起きないよう、監視体制はしっかりと整えなければなりません。
しかしプールの監視と指導を教諭一人で担当していて目が届かなかったり、監視をする保育士がほかのことをしていて子どもから目を離してしまったりと、人員が十分でないために水難事故に対応できなかったというケースがあります。
誤飲・食物アレルギー
給食やおやつなど、食べているものを喉に詰まらせて窒息してしまうことがあります。詰まったものを取り出したり、救命措置をとって迅速に対応しなければなりませんが、うまくいかずに死亡事故になってしまうことも。
また、重度の食物アレルギーで危険な状態になることも。アレルギー食品の管理が行き届かず、児童が食べてしまって具合が悪くなることがあります。アレルギー情報の共有がうまくいかないと危険です。
散歩中の事故
散歩中に、児童の列に車が突っ込む痛ましい事故が記憶にあるでしょうか。これは保育士や委託会社ではどうしようもないことですが、それ以外にも危機管理体制が整っておらず、問題になったケースがあります。
高いところから落ちた児童が、自力歩行ができたために保育士は軽症と判断。しかし実際には頭部骨折と脳挫傷を起こしていたことが後日発覚。事故時の対応や保護者への連絡といった危機対応の不備と言えます。
遊具でのけが
遊具によるけがも注意する必要があります。園児が遊具にぶつかったり、手足を挟んだりすると、大きな事故に繋がりかねません。過去には、園児がうんていに首を挟まれて死亡した事故も起こっています。不測の事態には常に備えておかなくてはいけません。
建具でのけが
園児が建具でけがをする可能性もあります。遊具の場合と同様に大事故に繋がるリスクがあるため、日頃から予防に努めることが大切です。保育士や管理者による適切な点検や、建具の適切な配置、注意喚起などが求められるでしょう。
危機管理を徹底するなら委託会社の乗換えを検討するべき
これらの事故は、保育士の人員不足をはじめ、危機管理の不足、トラブルが起きたときの対応と連絡の方法の共有ができてないことなど、運営サイドの問題の原因が考えられます。
痛ましい事故が起きないように、また保育中の事故によって保育所の運営が困難になることのないように、しっかりと危機管理のできる委託会社を選ぶことが大切です。
委託会社を乗り換えて成功した事例
それでは、最後に委託会社を乗り換えて成功した事例をご紹介します。
某病院・他グループ企業
課題:日時の変動がある状況での保育
満1才〜就学前の児童を預かる事業所内保育施設。企業側からの要請により、保育所の開園時間は常に変動するが、それに合わせて対応。
某病院
課題:前日の急なシフト変更への対応
保育士のシフトを前日に変更したいケースに対応できなかったため、委託会社を変更。乗換えによって急なシフト変更が可能になったため、看護部全体のシフト調整がしやすくなりました。
企業B社
課題:育児休暇を終えた社員がそのまま退社してしまうケースを減らしたい
直営のときは評判が悪かった企業内保育所だが、委託先を変えてから評判がよくなりました。以前は育児休暇後にそのまま退職されるケースが多かったのですが、工場内保育所の設置によって職場復帰しやすい会社だという評判にもなりました。