企業内保育所の給食
企業内保育所では給食を提供する義務があることをご存知でしょうか。ここでは企業内保育所の給食に関する義務や要件、注意点などについて解説します。
企業内保育所が給食を提供する義務
企業内保育所は給食を提供する義務があります。利用定員が20人以上の場合は調理室を、利用定員が19人以下の場合には調理設備を設置しなくてはいけません。
満3歳以上の児童に対する給食の提供については、保育施設外で調理して搬入する「外部搬入」という方法をとることも可能です。
また、満2歳以下の児童に対する食事の提供については、同一事業者や資本関係がある関連事業者が運営する企業主導型保育施設、小規模保育事業を実施する施設、事業内保育事業を実施する施設、社会福祉施設、医療機関又は連携施設から搬入することも可能となっています。それでも難しい場合、学校給食法第3条第2項に規定する義務教育諸学校又は同法第6条に規定する共同調理場からの外部搬入も可能です。
外部搬入する場合には、以下の要件を満たさなくてはいけません。
- 利用乳幼児に対する食事の提供の責任が企業主導型保育事業者にあり、その管理者が、衛生面、栄養面等業務上必要な注意を果たし得るような体制及び調理業務の受託者との契約内容が確保されていること。
- 当該企業主導型保育施設又はその他の施設、保健所、市町村等の栄養士により、献立等について栄養の観点からの指導が受けられる体制にある等、栄養士による必要な配慮が行われること。
- 調理業務の受託者を、当該企業主導型保育施設による給食の趣旨を十分に認識し、衛生面、栄養面等、調理業務を適切に遂行できる能力を有する者とすること。
- 利用乳幼児の年齢及び発達の段階並びに健康状態に応じた食事の提供や、アレルギー、アトピー等への配慮、必要な栄養素量の給与等、利用乳幼児の食事の内容、回数及び時機に適切に応じることができること。
- 食を通じた利用乳幼児の健全育成を図る観点から、利用乳幼児の発育及び発達の過程に応じて食に関し配慮すべき事項を定めた食育に関する計画に基づき食事を提供するよう努めること。
企業内保育所が給食を提供するための要件
企業内保育所の給食提供に関して、施設の基準や献立に関する要件が定められています。
献立に関する法的要件
調理の際はあらかじめ作成された献立に則り、できる限り変化に富み園児の発育に必要な栄養が取れるようにしなくてはいけません。メニューや調理方法や栄養や園児の嗜好を考慮し、健康な生活の基本として食を育む力の育成に努める必要があります。
- 利用乳幼児の年齢及び発達の段階並びに健康状態に応じた食事の提供や、アレルギー、アトピー等への配慮、必要な栄養素量の給与等、利用乳幼児の食事の内容、回数及び時機に適切に応じることができること。
- 食を通じた利用乳幼児の健全育成を図る観点から、利用乳幼児の発育及び発達の過程に応じて食に関し配慮すべき事項を定めた食育に関する計画に基づき食事を提供するよう努めること。
施設の基準
企業内保育所に設置が義務付けられている調理室または調理設備。調理設備は「調理のための加熱、保存等の調理機能を有する設備」と定義されているため、例えばコンロと冷蔵庫があれば基準を満たせそうです。検食のための基準も考慮すると冷凍庫も必要といえます。
調理室は部屋のことを指すため、きちんと壁で仕切られた調理専用の部屋がなくてはいけません。火に強い準不燃以上の基準などもあるため、自治体や消防署に確認してもらう必要があるでしょう。
企業内保育所が給食を提供するときの注意点
企業内保育所が給食を提供するときの注意点を解説します。
安全性
給食を提供する際は安全性に気を配らなくてはいけません。献立等について栄養の観点からの指導が受けられる体制にあるなど、栄養士による配慮が行われる環境を用意する必要があります。また利用乳幼児の年齢や発達の段階、健康状態に応じた食事の提供やアレルギー・アトピーへの配慮、必要な栄養素量の給与など、利用乳幼児の食事内容、回数時期に適切に応じることも要件に定義されているため注意しなくてはいけません。
委託先の選定
外部搬入により給食を提供する場合には、利用乳幼児に対する食事の提供が企業主導型保育事業者にあり、管理者が衛生面や栄養面など業務上必要な注意を果たし得る体制・調理業務の受託者との契約内容が確保されている必要があります。委託先を選定する際は注意しましょう。