企業内保育所の立地
企業内保育所を設置するにあたって、どこに保育所を構えるのかは非常に大切になってきます。また状況によっては設置できないケースもあるので注意しましょう。このページでは、企業内保育所を設置する立地や注意点などを紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
企業内保育所を立地するならどこがいい?
敷地内への設立が一般的
企業内保育所を運営する企業によって、どの場所に設置した方が良いかは変わってきます。多くの企業は、敷地内に設置しているケースがほとんどでしょう。幼い子どもの場合は、急に体調の変化が起こることもあり、同じ敷地内であれば迅速に対応しやすくなるなどのメリットがあるからです。また、保護者にとっては送迎がしやすいといった魅力もあります。移動距離がほとんどないからこそ、保護者も安心して子どもを預けやすくなり、仕事にも集中して取り組めることにつながります。
企業のスペースによっては、ビルやマンションなど複数階ある建物に企業内保育所を設けることもあります。その場合は、基本的に1階のスペースが設置場所として適していることが多いです。どうしても2階以上に企業内保育所を設けるのであれば、災害時の避難対策・設備を充実させる必要がでてくるでしょう。企業内保育所を設ける場合には、子どもが安全かつ快適に過ごせるための空間づくりが重要なのです。
交通量が多い所にはできない可能性も?
基本的に企業内保育所の場合、認可保育園よりも設置基準は厳しくないため、交通量が多い立地であっても、保育所を設置することは可能です。ただし、交通量が多いなどの事情があるなら、しっかりと安全に考慮した対策を講じることが大切です。
保育所の門の施錠を徹底
交通量が多いにもかかわらず、幼い子どもが保育所から一人で抜け出してしまえば、さまざまなリスクの可能性が高まります。最悪の場合は、事故や事件に巻き込まれることもあるでしょう。そのため、保育所の門をしっかりと施錠するようにし、安全性を保つようにしてください。一か所だけでなく、出入りが考えられる複数箇所を施錠することによって、より安全性が確保しやすくなります。
避難用の滑り台の設置
緊急時、どのように避難するのかも事前に考えておく必要があります。たとえば、2階以上に企業内保育所を設ける場合、緊急時に子どもを保育士が抱えて避難しなければなりません。しかし、子どもの人数の方が保育士の人数よりも多いため、避難にかける時間も長くなってしまうこともあるでしょう。そこで、避難用の滑り台を設置するなどの対策が大切です。
エレベーターがあれば大丈夫と思いがちですが、地震などの時は緊急停止してしまうこともあり、別の避難方法も準備しておかなければなりません。万が一に備え、しっかりと準備しておきましょう。
企業内保育所を設立するときの注意点
死角を作らないようにする
企業内保育所を立てる際、立地だけでなく、内装も非常に重要になってきます。企業と同じ敷地内に設置する場合、人の出入りが多くなり、来客も増えるでしょう。もちろん悪人ばかりが訪れるわけではありませんが、防犯上のリスクは高くなります。幼い子どもは不審者が訪れても、保育士に助けを呼ぶことができないことも。その結果、何らかの事件が発生することにつながるかもしれません。
企業内保育所は、死角がないようにデザインすることが大切です。死角がない環境であれば、不審者を発見しやすくなるだけでなく、体調不良になった園児にも気が付きやすいといったメリットがあります。ただし、完全にオープンであればプライバシーの問題も起こりやすくなるので、パーテーションなどを配置するのも一つの方法です。パーテーションなどは、子どもが掴むこともあるので、安定性のあるものを選びましょう。
企業内保育所には、一人で走り回るような子供から上手く言葉が発せない子ども、ハイハイする子どもまで幅広い年齢の子どもが預けられます。だからこそ、どの年齢の子どもでも安全に過ごせる保育所づくりが必要なのです。
まとめ
企業内保育所の立地要件に関しては、場所ごとに必要な対策を講じることで、交通量の多いエリアであっても、企業内保育所を設置することは可能です。ただし、幼い子どもの安全を守るためにも施錠や避難時の対策をしっかりと考慮してください。また、内装もシンプルにするなどの工夫も重要となってきます。
さまざまな状況をふまえて安全性などを検討する必要があるため、企業内保育所を設置する場合は、専門家の意見を取り入れることが大切です。専門家であれば設置するうえでの注意点や配慮しておきたいポイントなどのアドバイスをしてくれるだけでなく、手続きなどのサポートも行ってくれるでしょう。子どもが安全に過ごせる保育所づくりを行うためにも、専門家の意見を聞きながら立地・設備・内装などを検討してみてください。